こちらの記事では『第33回りゅうぎん紅型デザイン展』で開催されていた『紅型手作り無料体験コーナー』で作成した紅型について紹介させて頂きます。自宅に持ち帰っての最終的な仕上げを行なった手作り紅型。仕上げの工程を実際に行った感想や仕上がった作品について記載いたします。
『紅型手作り無料体験コーナー』で作成した紅型のその後
自宅で最終工程を行なった際の所要時間・難易度
世界に1枚だけのオリジナル紅型コースター
イベント情報
今回の紅型コースターは『第33回りゅうぎん紅型デザイン展』で開催されていた『紅型手作り無料体験コーナー』にて作成しました。毎年夏休み期間に開催されるという琉球銀行主催の紅型のデザイン展。公募を募り紅型作品の展示も行われます。会場である沖縄県立博物館・美術館(おきみゅー)では様々なイベントも同時開催。嬉しいことに無料エリアで紅型体験は開催されるので入館料や入場料は不要です。
イベント開催の施設情報
開催期間
2024年8月20日(火)〜25日(日)の6日間の開催でした。筆者は最終日の午前中にイベントが開催されている事を存じて急いで受付へ。現地は恐竜展が開催されていたため駐車場は満車。博物館内も人で溢れかえっていました。しかし紅型の会場は意外にも空いていたので午後枠の受け入れには余裕がありました。お昼ご飯を食べてのんびり参加したかったので最終にあたる16:00台を予約して一度帰還。
施設の地図
利用料金
『紅型手作り無料体験コーナー』は無料です。県立博物館の無料エリアで開催されていたイベントになるため、博物館・美術館の入館料・入場料も発生しませんでした。
注意事項
自宅で行う仕上げ作業について
紅型がほぼ初めての筆者も問題なくできる内容でした!
自宅に持ち帰った紅型は糊落としの工程が必要です。1週間ほど乾燥させた後にぬるま湯につけて糊を落とす、という内容ですが子供たちも一緒に実施。工程についてはイラスト付きの手順書があったので分かりやすかったです。ただし乾燥時間をはさむので午前いっぱい、午後いっぱい、といったまとまった時間がある時に行うのがお勧めです。
必要なもの
作品がしっかり浸かるように横幅と深さがある容器が必要になります。今回は14センチ×14センチのサイズ感だったので意外にも容器探しに苦戦しました。容器が見つからない!という方は深さがあるフライパンや調理用ボウルでも代用可能です。
実際に作業した内容
作業は子供たちをなんとか説得して週末に行いました。一つ一つの作業はさほど時間はかかりませんでしたが乾燥の時間が必要に。最初は紅型のイメージが分からなかった子供たちも鮮やかな柄が浮かび上がってきた時は大喜びしていました。
染めた作品を5〜7日ほど自然乾燥させる
室内で6日間ほど自然乾燥させます。紅型の制作を行なった日は新聞紙でクルクルと丸めて持ち帰ったので生地自体もくるんとした形状に。特に伸ばすこともせずそのまま洗濯バサミで縁をはさんで自然乾燥。
新聞紙の上からドライアイロンをかける
色を定着させるためアイロンで熱を加えます。新聞紙の上、またはコースターをひっくり返して裏から中温のドライアイロン。アイロン台に色移りするか心配だったので念のため上下を新聞紙ではさんで作業しました。注意すべきは火傷と作品をうっかり焦がさないこと。
40〜50度くらいの水に1〜2時間つける
糊を落とすために40〜50度くらいの水につけます。ケトルで沸かしたお湯と水道水を1:1.5の割合で混ぜると50度前後になりました。つけ置きしている間はちゃんと糊が浮いてきているか気になりますがそのままに。水の色は透明からほんのり茶と黄色が混ざったような色になっていきます。
糊が水に溶けているのを確認する
1〜2時間しっかりつけ置きして糊が水に溶けているかを指で触って確認します。このとき指で強く擦ってしまうと塗料が落ちてしまうのでご注意を。そっと生地を触ると糊独特のぬるっとした感触がしました。全体的に満遍なく糊が浮いているかの確認は四隅をそっと触ってみます。
糊や余分な絵の具をシャワーで洗い流す
こちらの工程は思いの外時間を要します。糊や余分な絵の具をシャワーで流しますが最初はなかなか思うように洗い流すことが出来ませんでした。水圧をやや強めにして様子を見ましたが強すぎると塗料も一緒に落ちてしまうようです。ふわふわとした糊や余分な塗料が全体的についているので洗い流す向きや角度を変えて根気よく流します。
室内か日陰に干す
洗い終えた生地は直射日光を避けて室内か日陰に干します。生地の厚みがあるので時間がかかるかと思いましたが意外にも早く乾きます。筆者は日陰で2時間ほど干しました。直射日光を当てると褪色する可能性があるのでご注意を。
仕上げのアイロンをかける
いよいよ仕上げの最終工程です。アイロンの温度は最初にアイロンをかけた時と同じく中温。色がしっかり定着するように丁寧にかけます。4歳・5歳の子供たちに初めてアイロンを触らせましたが火傷をすることなく無事に完了。
手作り紅型の感想
紅型作りを通して沖縄の伝統工芸を改めて考える機会になりました
筆者は小学校の体験学習をして以来の紅型作り。沖縄在住の人ほど意外にも地元の伝統工芸にふれる機会は少ないと思いました。日常生活の中で馴染んでいる、ではなくそもそも興味がない・機会がない・観光客向けのもの、という印象もあると感じました。今回の体験会を通して「ママ、綺麗なお花だね!」と子供たちもいい経験に。
作業時間のトータルは約1週間。会場で色付けに約30分、自宅で行う作業は乾燥時間を加味して6日間。時間はかかりますが待っている間も楽しめる機会になりました。完成した紅型コースターは壁に飾るか玄関に置くか悩み中です。筆者も枠を確保して参加すれば良かった、と心の底から後悔。せっかくなら店舗へ赴き本気の紅型作りをしたいと計画中です。
浦添市の店舗でも作成可能!
無料イベントは既に終了していますが今回の紅型体験は浦添市の店舗が監修。浦添市前田にある『城紅型染工房(ぐすくびんがた)』では有料にはなりますが紅型体験の予約を受付しております。筆者もなにか1つは作ってみたいと考え中です。
この記事のまとめ
今回の記事では『第33回りゅうぎん紅型デザイン展』で開催されていた『紅型手作り無料体験コーナー』で持ち帰った紅型の仕上げについて紹介させて頂きました。初心者でも世界で1枚だけの紅型コースターが作れる事がポイント。4歳・5歳の子供たちもオリジナルのコースターを作成することが出来ました。糊を落とすまでどのような作品が出来るのかわくわくしながら待っている時間も楽しかったです。来年もぜひ参加したいと考えています。(3,147文字)